交通事故に遭って車が壊れた場合、修理費、評価損、代車使用料、登録手続関係費、例外的に慰謝料を請求することができます。愛車を失ったことの慰謝料については、芸術品として大切にしていた車両が壊れたような特殊なケースに限って、精神的苦痛を損害として例外的に請求できる場合があります。

交通事故に遭い、車や積んでいた荷物が損傷した「物損」については、げんそくとして精神的苦痛に対する損害賠償である「慰謝料」は請求できません。財産上の損害について受ける金銭的な賠償によって、精神的な損害も回復されると考えられるからです。

ただし、交通事故の状況や事情により、財産上の損害以外の権利や利益が侵害されたと評価されるケースでは、例外的に慰謝料が認められることもあります。過去の裁判例では、明け方の自動車同士の衝突事故で、自動車が衝突した建物に大きな損害が生じたケースで、事故の時間帯や損害を受けた場所、生活の不便さなどが考慮されて慰謝料が認められた例があります。