休業損害とは、交通事故で怪我をして、治癒や症状固定までの期間、働くことができなかったために生じた収入の減少のことです。会社員の休業損害は、事故前の収入を基礎として、怪我をして休業したことで、現実に減少した収入分を補う範囲で認められます。
そのため、休業損害は、交通事故による怪我などが完治するか、症状固定するまで認められます。症状固定後も休業している場合は「後遺障害逸失利益」として、休業損害とは別に評価されます。一般的な実務の運用では、基礎収入(3かの給与額の合計額÷90日)×休業期間を休業損害として計算します。
ただし、怪我をしても頑張って働いた場合、もし休業していたら発生したはずの休業損害は原則認められません。仕事の都合上、休めなかったけれど「本来休業すべき程度の症状だった」ことが立証できれば、傷害慰謝料の増額事由として考慮される場合があります。
なお、保険会社から、交通事故の怪我が原因で、症状固定日までずっと休業していたにもかかわらず、通院日だけを休業日とする休業損害額が提示されることがあります。保険会社は、明らかに重傷を負ったような場合を除いて、入通院日のみを休業日として算定することがあります。このような場合は働くのに支障があったことを積極的に主張しましょう。