労働者が業務中または通勤途中に交通事故に遭遇した場合には、労災保険を利用できます。労災保険(労働者災害補償保険)は、業務上または通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡等(業務災害・通勤災害)について保険給付を行う制度です。そのため、上記のように労働者が業務中または通勤途中に交通事故に遭遇した場合であれば、被った損害について労災保険を使用して、保険給付を受けることが可能です。公務員の場合も、国家(地方)公務員災害補償法という法律に基づいて、労災と同様の補償が受けられます。
ただし、労災給付を受けることができる場合には、健康保険と併用はできません(健康保険法55条1項)。務中または通勤途中に交通事故に遭遇した、業務災害・通勤災害にあたる場合は、労災保険を使用しましょう。労災保険を使用しない場合は、診療は自由診療となり、最終的に受け取ることができる損害賠償の額が減少し、労災保険を使用した場合に比べて大きな差が出ます。
会社によっては、労災保険の使用を嫌がるところもあると聞きます。しかし、労災保険を使うことは労働者の権利として認められています。会社の対応に問題がある場合は、専門家である弁護士に相談することをお勧めします。