個人事業主や事業所得者などの自営業者の休業損害は、原則として交通事故の前年の確定申告所得額を基礎に計算されます。
一般的な実務の運用では、以下のように計算して休業補償の額を算定します。
基礎収入(事故前年度の確定申告所得額÷365日)×休業期間
会社員の場合と同様に、具体的には、事故による怪我などが原因で休業したために、現実に収入が減った減収額が損害として認められます。減収額は、事故前と事故後の確定申告や帳簿などから認定していきます。毎年の所得変動が大きい自営業者の場合は、事故前およそ3年分の確定申告から平均所得を出して基礎収入とする場合もあります。
税金対策に、確定申告する所得額を低く申告している場合は、申告所得額をもとに基礎収入を計算しますが、それを上回る収入があることを立証できれば、多い金額で認定してもらえる場合があります。また、賃金センサスの平均賃金を基準にした基礎収入が認定される場合もありますが、確定申告で過少申告したような場合は、認められるのは困難です。
なお、自営業者の家族等が事業を手伝っているようなケースでは、被害者の寄与分のみが基礎収入となることに注意が必要です。