交通事故に遭った場合に請求できるお金(損害賠償)は、積極損害・消極損害・慰謝料の3つに分けられます。事故が原因で、働くことができずに生じた収入の減少を「休業損害」といい、消極損害に含まれます。特に、貯蓄が少ない人や、毎月家賃の支払いがある人、ローンの返済がある人などは、収入が途絶えると大きな支障が生じるので、弁護士に相談するなどして適正な金額を計算して請求してください。
休業損害の金額は、1日あたりの損害額(日額基礎収入)に休業日数をかけて算出します。但し、休業日数は、実際に会社を休んだ日のうち、傷害の程度や治療過程、仕事の内容などから相当な日数が認められるので、休んだ日数と同じになるとは限りません。
具体的な休業損害・日額基礎収入の金額は、(交通事故前の3ヶ月の給与総額÷90日)か、又は(交通事故前の1年間の給与総額÷365日)で計算します。
会社員の場合、雇用主が提出する休業損害書や源泉徴収票などが基準になりますが、賃金センサスの平均給与額によって計算することもあります。自営業者などの事業所得者の場合は(事故前の1年間の所得÷365日)で計算します。主婦や主夫などの家事従事者の場合は、家事ができなかった期間につき休業損害が認められます。賃金センサスの女性労働者の全年齢平均給与額または年齢別平均給与額を基礎に計算するのが通常です。失業中や無職の人が交通事故にあった場合は、原則休業損害は認められませんが、就職の可能性が極めて高い場合には休業損害を請求することができます。