後遺症による逸失利益は、「(基礎収入)×(労働能力喪失率)×(中間利息控除係数)」という計算で算出されます。基礎収入とは、原則として事故前の現実の収入額(例外的に全年齢平均賃金)、労働能力喪失率とは、労働能力喪失率表に基づく後遺症によって失われる労働能力の割合、中間利息控除係数とは、将来発生する利息を差し引くための割合を言います。
この数式にもとづいて、具体的に年100万円の収入を得ていた人について考えると、以下のようになります。
年収100万円の被害者の労働能力喪失期間を10年とすると、100万円×10年分として1000万円の将来収入を現在受け取ることになります。しかし、これには将来の利得分を含むので、中間利息を差し引かなければなりません。すると、10年分の収入にライプニッツ係数7.7722をかけて、現在受け取る金額は777万2200円となります。この金額を年5%の複利で運用したとすると、10年で1000万円という計算になります。