学生の場合、原則として休業損害は認められません。しかし、収入がある場合、また、交通事故により就職が遅れた場合には、例外的に休業損害が認められます。
具体的には、アルバイトをしていた学生が、交通事故の怪我などが原因でアルバイトを休み、現実に収入が減少した場合には、アルバイトに行けなかった期間について休業損害が認められる可能性があります。また、就職内定後の交通事故により、内定を得ていた会社に卒業後も仕事に就くことができず、卒業後に症状固定したような場合には、本来就労開始したはずの日から休業損害が認められる可能性があります。
過去の裁判例で、学生の休業損害が認められた例としては以下のようなケースがあります。
- アルバイトをする大学生が、交通事故でアルバイトを自粛しなければならない状況になり、事故前後の収入減を基礎として休業損害が認められたケース(名古屋地判平23.2.18)
- 交通事故が原因で留年した大学生が、就職が1年半遅れた場合に就職遅れの期間分の損害が認められたケース(東京地判平12.12.12)
- 高校3年生が、交通事故に遭わなければ大学に入学、卒業していた可能性が高いとして、大学卒業年から症状固定までの損害が認められたケース(大阪地判平19.1.31)