症状固定とは、医師から「これ以上治療を継続しても症状改善の見込みがない」と判断されることを言います。症状固定に達すると、原則としてそれ以降の治療は認められず、治療費も請求できないのが原則です。
ただし、症状固定に達しても、例外として治療が認められる場合もあります。たとえば、医師から、症状固定後も定期的な検査が必要で、将来手術が必要になる可能性があると言われた場合などです。このようなケースでは、将来的な手術の必要性や、費用の概算などを医師に書面化してもらい、具体的に主張をすることで、将来治療費の請求が認められる場合もあります。「将来症状が悪化するかもしれない」という抽象的な主張では認められないので、将来治療の必要性を立証できる具体的な資料を集めることが求められます。
また、いわゆる植物状態(遷延性意識障害)になり、自宅介護するための準備期間中に入院しなければならないというやむを得ない事情があった場合や、治療しなければ症状が悪化するという状況に陥ったようなケースで、症状固定後の治療が認められる場合があります。