昔から、「三代の相続で財産がなくなる」と言われるように、相続税は相続人にとって大きな負担となります。ここでは、具体的な相続税対策をご紹介します。
生前贈与
年110万円の基礎控除額を利用し、生前贈与をしておくことで節税になります。ただし、贈与税は相続税より税率が高いこと、特別受益とされることがあるので遺産分割の際に紛争の種にならないようにすること、贈与契約書を作り公証役場で確定日付を取っておくことに注意が必要です。
相続時清算課税制度
相続時精算課税贈与とは、60歳以上の親から20歳以上の子や孫への贈与なら通算2500万円まで贈与税がかからない制度です。ただし、相続時清算課税制度を利用すると従来の暦年課税制度に戻せないこと、相続税額を計算する際に小規模宅地等の特例が適用されなくなること、相続開始時に贈与時の価格で相続財産に合算されるので、将来値下がりが予想される財産ではデメリットになる可能性があることに注意が必要です。
住宅取得等資金の特例
一定の住宅を新築したり購入するための費用や、住宅の一定の増改築のための資金として贈与を受けた場合に、平成22年度までは1500万円まで、平成23年度では1000万円まで、贈与税がかからない制度です。ただし、受贈者が推定相続人である20歳以上の子や孫で、贈与された年の合計所得金額が2000万円以下という条件があります。平成22年度に限り、所得制限のない500万円の非課税制度が選択できます。
小規模宅地の特例
相続や遺贈によって取得した財産のうち、故人(被相続人)等の事業や居住に使われていた宅地等で、建物や構築物の敷地になっていたものがある場合に、相続人等が取得したこれらの宅地等のうち一定の部分について、要件を満たした場合に限り、一定率の減額が受けられる制度です。
その他にも、状況に応じて様々な相続税対策を講じることができます。税金は改正も多く複雑なので、専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。